シティーハンター　第４１話「冴子の妹は女探偵（前編）-翔んだ女（パッションレディー）の大胆秘密」

あまりに依頼が無いために真面目に転職を考え始める香が目にした隣のビルへの行列。そこには、美人女社長が開業した「RN探偵社」の文字が！もちろん冴羽も敵情視察へと赴くわけだが、美人女社長・麗香の姉は何と……冴子だった！
麗香は探偵業務の他に、暴力団を強請り金を巻き上げる危険な仕事を行っていた。それは、麗香が警察官時代にお世話になった先輩刑事・友村が引き起こした飲酒運転死亡事故に関連してのことだが、麗香はその事件に裏があることを知り、その手がかりを掴もうと暴力団から金を巻き上げていたのだ。
暴力団から巻き上げた金を「警察からの支給金」として友村刑事の未亡人に渡したその直後、何者かからの狙撃を受ける麗香。冴羽も認める「プロ」のお出ましだが、麗香は不敵な笑みを浮かべて言う。「嬉しいわ。やっと出てきた。友村刑事、そして三人の家族を不幸にした張本人が！」

冴羽がRN探偵社の受付をするシーン「ゴーゴーヘブン（歌：大沢誉志幸）」。また、冴羽の回想シーンで流れる曲。初めての劇判か。

準レギュラーとなる麗香が初登場。商売敵でお隣さん同士、そして実は冴子の妹で元女刑事。「姉さんと一緒にしないで！」となぜか対抗意識をむき出しにする麗香だが、その実「ただ男を利用するだけ」という、結局言っていることとやっていることは冴子と同じじゃないか、と突っ込みたくなるような事を言う始末。冴子に比べて少々サディスティックな一面もあり、前半は冴羽を完全に犬扱い。まさしく翔んだ女（パッションレディー）である。

そんな麗香の副業は、暴力団組織から多額の金品を強請り取ること。非常に危険な仕事で、案の定命を狙われ始めるのだが、それには、先輩刑事・友村が引き起こした飲酒運転死亡事故に絡む疑惑があった。マスコミによって糾弾され、世間から非難される友村の遺族の恨みを晴らすべく、このような危険な行動を取っていた麗香。ついに、暴力団組織から上前を撥ねるボスが派遣したプロのスイーパーが麗香を襲う。

今後準レギュラーとして、冴子や海坊主ほどではないにしろ、度々登場することになる麗香。『シティーハンター3』まではエピソードに登場するが、『シティーハンター'91』ではエピソードはおろかオープニングやエンディングにすら登場せず、その立ち位置を完全に美樹に奪われてしまうこととなる。麗香役を演じるのは鷹森淑乃。サンライズ作品であり、本作と同じ植田益朗がプロデューサーを担当した『超力ロボガラット』のパティ・パンプキン役でデビュー。その後は、『超音戦士ボーグマン』のアニス・ファーム役などでキャリアを積むが、代表作として最も有名なものは、やはり『ふしぎの海のナディア』のナディア役ではないだろうか。

いのまたむつみ作画監督回のためか、冴子のデザインが従来のものとは少し違う（髪型など）。何となく伊東美咲っぽい感じ。

原作

「越してきた女」「動き出した犯人」「ラブラブ大作戦！」「ジェラシー寸前」

セリフ

冴羽「年齢24歳。バスト88cm。ウエストヒップ不明。足首極めて細し！」

冴羽「87cm、惜しい！1cmの差で冴子の負け」＊今回はえらくバストサイズの話が飛び出す。

冴子「麗香に近づくとこんなもんじゃ済まないわよ。すぐ頼られて、危険な仕事押し付けられちゃうから」＊お前が言うな。

麗香「冗談じゃないわ！男に頼って仕事をするのは姉さんのほうじゃない。私はそんなだらしない真似はしないわ。ただ男を利用するだけよ」＊冴子とは心構えが違うだけらしい。

次回予告

冴羽「遂に黒幕のお出ましか」

香「警察内部の人だなんて、ショック」

冴羽「とんだ事件を追ってるよ、麗香も」

香「深町って凄腕だ、って言うじゃん」

冴羽「なあに、奴はただの雑魚。実はもっと大物が控えてんだなあ」

香「断じて許せん！私らをブタ箱に陥れようなんて」

冴羽「喚くなよ、お楽しみはこれからさ。シティーハンター『冴子の妹は女探偵（後編）-翔んだ女（パッションレディー）の大捕物帳』」

香「絶対見てね！」

キャスト

冴羽獠：神谷明／槇村香：伊倉一恵／野上冴子：麻上洋子／麗香：鷹森淑乃

黒川：田中康郎／大空組長：飯塚昭三／未亡人：鈴木れい子／誠：深見理佳*1／八九三：梅津秀行／組長A：山寺宏一

スタッフ

脚本	遠藤明範
絵コンテ	こだま兼嗣
演出	今西隆志
作画監督	いのまたむつみ
原画	西沢晋2／鈴木四郎／丹沢学3／尾形雄二／横田智則
動画	網野佳子／山本みどり／島田悌三／春日久美子／高橋陽子／スタジオMAY
動画チェック	石井康雄
色指定	横田政一
仕上	スタジオ九魔／米村貞子／奥野孝一／公平保之／岩沢れい子
特効	千場豊（マリックス）
背景	スタジオ・イースター／矢島洋一／北川晴美／清水隆夫／南沢貞子／影山誠哉
撮影	旭プロダクション／長谷川洋一／末弘孝史／福田寛／土岐浩司
編集	鶴渕映画
タイトル	マキ・プロ
効果	松田昭彦（フィズサウンド）
整音	大城久典
音響制作	オーディオ・プランニング・ユー
録音スタジオ	A・P・Uスタジオ
現像	東京現像所
メカニカルデザイン	明貴美加
設定	秋山浩之
制作助手	渡辺葉子／佐藤あさみ
制作進行	和賀健夫
文芸	外池省二
製作担当	望月真人