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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 第10話「隅田川関屋の里」

街道を行くお艶(山田五十鈴)たちの横を猛スピードで駆け抜ける馬に乗った3人の侍。次に出会った時には、なぜか渡世人の格好をしていた。変装し流山へと潜入した彼らの目的は「秋月様」を探すこと。しかしその「秋月」が誰なのか皆目検討がつかない座員たち。3人と行動を共にする中間の新助(住吉正博)の兄で、馬の世話をする一助が自殺。このことから、『「秋月」が馬ではないか』と狙いをつけ調べてみると、それは将軍家の馬であることが判明。あの3人の侍は将軍家御召馬預係の侍で、この流山で行方不明となった将軍家の馬である「秋月」を探しに来たのだ。

この悪事には流山代官・稲取権三郎(草薙幸二郎)と配下・轟渉(大木正司)、その背後にいる勘定奉行・鬼丸主膳(宮部昭夫)が暗躍。鬼丸は次期大目付を狙い、現在大目付である本田但馬守を失脚させるため、稲取に命じ秋月を誘拐したのだ。この悪事を遂行するにあたり邪魔なのが将軍家御召馬預係の3人。捕縛し、秋月に会わせ安心させた上で配下に命じ殺害。将軍家御召馬預のトップである小関左内(原田清人)は3人の死に憤慨する。

江戸にいる鬼丸を始末できるのは、江戸と行き来できる唐十郎沖雅也)。一方、鈴平(江戸屋小猫)の声帯模写代官所にいる秋月を興奮させ、悪人たちをおびき寄せる。慌てて飛び出してきた稲取をはじめとした悪党たちを始末するお艶たち。

将軍家御召馬預係の侍に五味龍太郎、唐沢民賢、三島猛、住吉正博。悪人側に草薙幸二郎、大木正司、宮部昭夫と、どちらの陣営が極悪人でもおかしくない絶妙かつ渋いキャスティング。シリーズ初期からの悪役である五味が被害者で、更に殺されるのは非常に珍しくかつ哀切。将軍家の馬を道具に用いて出世を企む悪人たち。毛並みの良い白馬ゆえに、隠しておける場所は限られてくるわけだが、土地の代官が悪事に加担しているのであればそれも容易なこと。

鬼丸は要職にありながらも居合の達人。藁を叩き斬るシーンや剣術を鍛錬するシーンもあり強敵であることを匂わせるが、唐十郎の釣竿による遠距離攻撃によって攻め手を封じられ死亡。

「隅田川関屋の里」

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馬で駆けて行く3人の侍が赤く浮かび上がる。この侍たちが将軍家御召馬預係の3人であり、「秋月」が盗まれたことを江戸へ急ぎ知らせる様子を描いたものという設定。

脚本 松原佳成
監督 松野宏軌

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