必殺仕事人V旋風編 第3話「主水、殺人ツアーに出かける」
今後の親睦も兼ねて、団体旅行へ行くことになった百軒長屋の住人たち。住人同士が毎月20文ずつの旅行積立金を出し合い、毎年旅行へ行こうというのだ。
さて、主水(藤田まこと)の呼びかけで百軒長屋の夜祭が行われるが、田中様(山内としお)が血相を変えてやって来る。長屋の住人・直吉(丹波義隆)が薬屋殺しの容疑者だと言うのだ。直吉は、最近お玉(かとうかずこ)が何かと目をかけている男性。しかし、直吉は同じ長屋に住む信助(友居達彦)らと共に、美濃校倉藩藩主・稲葉備中守(菅貫太郎)を討つための策を講じていた。殺害された薬屋は直吉の同志だが、稲葉備中守の刺客である久世京四郎(きくち英一)らに藩主暗殺を嗅ぎ付けられて消されたのだ。
稲葉備中守はどうやらとんでもない外道のようで、現在江戸へ来る途中だが、白昼堂々、大名駕籠の中で町民の娘を犯すなどのやりたい放題。さらには、蛮行を諌めようとした側近を容赦なく斬り捨てる始末。このような領主ゆえに領民も苦しんでいるようで、直吉らは意を決して脱藩し、町人に成りすまして稲葉備中守を討つための計画を練っていたのだ。薬屋は藩主暗殺計画のリーダーだったのだが消されたため、信助がリーダーとなった。
信助は江戸家老である間部信玄(楠年明)に知恵を求めることを提案。今回の反乱は領民を思ってのこと。稲葉備中守を討った後、幕府によって領地を没収されてしまうと領民が路頭に迷うことになり本末転倒となる。それを予め防ぐため相談にやって来た信助だったのだが、待ち構えていた久世たちに囚われてしまう。信助の妻である小夜(本城ゆき)も監禁されてしまった。
銀平(出門英)の証言により直吉の疑いは晴れた。お玉は相変わらず直吉にデレデレだが、主水は直吉らが元侍で、何かを企んでいると予想。彼らの繋がりから、自分たちの裏稼業にまで飛び火することを恐れた主水はお玉に釘を刺す。直吉たちの耳に、間部裏切るとの報が入った。稲葉備中守、間部ら討伐をいよいよ決行する時が来た。直吉はお玉を呼び出し「押し花」を渡し、今生の別れを口にして去っていく。センチメンタルに浸るお玉に主水はきつく「甘ったれるな」。
校倉藩上屋敷に乗り込む反乱軍。しかし次々と倒されていく。信助は既に拷問死しており、小夜を助けた直吉も間部を斬るも力尽き配下によって斬り殺されてしまう。お玉と銀平はその様子を見ていたが、小夜を助けるのが精一杯。頼み人は小夜とお玉。しかし狙うは大名。それも大名行列だ。団体旅行当日に殺しを決行。順之助(ひかる一平)、政(村上弘明)も加わり、白昼の大名行列を襲う仕事人たち。
ふざけたタイトルとは裏腹に、比較的しっかりとした内容。旋風編は2話、3話と手堅い話が用意されている。
お玉の惚れっぽい性格がここで初披露。この性格が、風雲竜虎編のツンデレに繋がっていくわけだ。菅貫太郎の馬鹿殿、出番は少しだけだが、その鬼畜ぶりがいかんなく発揮されている。主水に刺されたときの、目を見開いて絶命する表情も健在。鬼塚様は今回お休み。
この話も、見所は何より殺しの場面。順之助のバズーカ砲は煙幕弾として活躍。高所から大名駕籠へ向けて煙幕弾をどんどん打ち込む順之助バズーカ。一度きりの発射じゃなく、連射もできるんだな。大名行列だってそりゃ混乱するわ。政も崖から強襲し、主水も堂々と行列に斬り込み駕籠脇からブスリ。
さて、見ていて気付いたが、政の出番が少な過ぎる。殺しの場面を除いたら5分も出ていないのでは?スケジュール調整の大変さがこの作品から窺える。
スタッフ
脚本 | 保利吉紀 |
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監督 | 田中徳三 |
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