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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

ルパン三世PARTIII 第18話「ショータイムは死の香り」

脚本:桜井正明 絵コンテ・演出:青木悠三 作画監督:柳野龍男 尾鷲英俊

ニューヨークマフィアのボス・ルーレットの誕生祝に集められたお金は総額約一億ドル。そのお金をそっくり戴こうとルーレットの息がかかったカジノへ下見にやってきたルパンは、踊り子のジェニーと出会う。憧れのブロードウェイに立つことを夢見るジェニーは世界的怪盗ルパン三世と一緒にルーレットの金庫破りを行うことで自分を名を挙げようと意気込むが、その行動はどうも怪しい。
実は裏でルーレットと通じていたわけだが、知っていて手を組むルパン。次元と五右ヱ門のサポートもあって、計画は見事大成功。ジェニーはオーディション会場へ向かい、ルパンは一輪のバラを残して去っていくのだった。

ジェニーとお知り合いになり、その日の内にいきなり後部座席でセックスしてしまうルパン。なかなかお子様には刺激的な展開。
ジェニーはブロードウェイのダンサーになることを夢見ている健気な少女。「ルパン三世と金庫破りをした女」として大々的に売りこもうとするしたたかな少女だが、実は裏でルーレットと手を組んでいた。ルーレットからは計画が成功すればブロードウェイの舞台に立たせてやると口車に乗せられた挙句危うくルパン諸共消されかけるが、ガトリングガンを避けるためのリズム感はピッタリで、ルパンを導いていく。「オーディションが終わるまで、待っていてくれるわよね?」のジェニーの問いかけに頷きながら、最後に一輪のバラを彼女の自転車に置いて無言で去っていくルパンがカッコイイ。

しかし、ルパンが噛んだチューイングガム(しかも壁に貼り付けてあるもの)を噛んで更に膨らまさなければならないなんて、次元にとっちゃ少々災難か。青木悠三が久しぶりに演出として参加。冒頭、カジノに乗りつけるルパンと次元のやりとりや、銭形警部の猛追をかわす際の演出など抜群のセンスが光る。特にルーレットのガトリングガンを避ける際に、曲に合わせてルパンとジェニーがダンスするシーンは素晴らしく、青と赤のトーンで浮かび上がらせながら、短いカットでルパンたちの動きを表現していく演出は青木ならでは。類似した演出に『シティーハンター』4話で、誘拐された槇村香の親友がディスコで踊るシーンがある。作画監督はAパート柳野、Bパート尾鷲と、後半及び『バビロンの黄金伝説』の主力メンバーが集まっている。アイキャッチ直前のルーレットの作画など、青木本人が手を入れているような箇所も見受けられる。
BパートはOHプロ回だが、青木の絵コンテ・演出に忠実なせいか、派手な動きも無く作画も比較的大人しい。不二子さんや五右ヱ門など、顔が後半部分にリンクするような描き方になっているのも特徴的か。原画に菊池通隆(きくちみちたか)の名前がある。この作品が原画デビューだそうだ。ジェニー役にはユリでありフォウ・ムラサメである島津冴子。『バビロンの黄金伝説』にもラザーニア役で登場しています。ルーレット役は『巨神ゴーグ』の船長こと今西正男。ルーレット配下に笹岡繁蔵もいます。

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