機動戦士ガンダムΖΖ 第7話「ガザの嵐」
工業用ハッチの開閉を巡ってジャンク屋組合に向かうジュドーたちだったが、ゲモンに見つかり捕まってしまった。
一方、アクシズ軍は新型量産機ガザDを駆る「ガザの嵐隊」が出撃。Ζガンダムを追い詰めるが……。
エルとハマーン様はお休み。また、今回ゲストで登場するキャラはレギュラーキャラと声優が重なるため、ジュドー以外も出番が少なめである。
アクシズ軍、遂に港からシャングリラ内部へと入り込む。不安がる市民をよそに、コロニーの中で主砲を撃ちアーガマを沈めようとするマシュマー。失敗続きで少々苛立っているのか?一方、港と反対側にある工業用コロニーを開けてもらうようジャンク屋組合に掛け合おうとするジュドーたちだが、そこへ登場したのがゲモン。ジュドーには何かと煮え湯を飲まされているだけに、怨みも相当なもので、早速ジュドーを人質に。
さて、アクシズ軍はガザの嵐隊の三人「パンパ」「ビアン」「ワイム」が出撃。新型量産機ガザDに乗り込む。アーガマでは豚や鶏などの食料物資を運びこんでいる最中で、ブライト艦長も豚に吼えられたり、逃げ出した鶏を捕まえたりで大忙し。今回のブライトさんはちょっと挙動がおかしいです。そんな中、ガザの嵐隊がアーガマに接近。ファがΖガンダムで、トーレスがメタスで出撃。トーレスがモビルスーツに乗るのは、今回が初めてか。
ガザの嵐隊はマシュマーの騎士道精神を受け継ぐパイロットたち。彼らがまず行ったのは、市民に対してのイメージ作戦だった。アクシズが一対一の戦いにこだわるのは、コロニーを傷つけたくないからであり、アーガマはコロニーの中を逃げ回るだけで、損害のことは一切考えない卑怯者の集まりだ、とアクシズ軍の戦いの正当性を主張。この演説で冷静さを失ってしまったブライト艦長、アーガマの発進を命令する。どうもブライトさんは敵方の演説に対してキレやすいように思える*1。
さて、捕らえられたジュドーだが、ゲモンを後ろから鉄パイプで殴って「ごめんね」とかわいく助けたのは見たこともない女の子。ストレートロングの髪の毛も青なら、流星がシンボルマークのノーマルスーツも青、両耳のリングも青と、全体的に青で統一したこの端正な女の子こそ、前話で話題に上がった「ラビアン・ローズ」からコア・ファイターに乗ってきたエゥーゴの兵士、ルー・ルカだった。ジュドーを助けた後は、コア・ファイターでΖガンダムを援護するんだけど、どうやらルーはΖに憧れを抱いていたらしく、ファの操縦するΖがガザの嵐隊に押されていることが許せなかったみたいで、ファに対して結構キツいことを言ってしまったり。気が強い女の子である。
ガザの嵐隊の奥の手は「ガザストームフォーメーション」。煙幕で自分たちの機体を隠す戦法だが、実戦で使うのは初めてだったようで効果はいまいち。それどころかミノフスキー粒子さえも使えず、結局闇雲に銃弾を撃つことになり、これには思わずジュドーも「めちゃくちゃだな」。そこで、ルーが機転(?)を効かせてコロニーに穴を開ける!煙幕は宇宙空間に散り、Ζガンダムのビームサーベルでビアン機は真っ二つにされ、ワイム機はグレネードランチャーで爆散。パンパ機もメインカメラを粉砕され、それぞれ宇宙空間に散っていった。まあ、最終的に自分たちの戦法がきっかけで死んでいったんで「何だったんだこいつら」って感じなんですが。そして、最後はアーガマから逃げ出した豚を担ぐヤザンでクロージング。今回もヤザンがオチ。
小林利充が作画監督、原画に川元利浩参加ということで、かなり力の篭った作画を堪能することができる。更に、エンディングには登場していたけれど、誰だか分からなかった謎のモデル系美少女ルー・ルカが初登場。よって、彼女周辺の作画は特に気合が入っている。いかにも80年代後半アニメの美人ヒロインって感じのルー・ルカ。当時デビューしたての杉本彩にも似ている感じもするが、同じ富野作品の『重戦機エルガイム』に登場するオルドナ・ポセイダルに似たクールな雰囲気を携えている。
新レギュラー ルー・ルカ
今回から登場する新しいレギュラーキャラクターである。既にエンディング画面には登場していたが、今まで劇中では名前等も明かされておらず、次回予告でも触れられていなかったため、突然の登場に驚いた視聴者もいたかもしれない。
端正な美人系の顔立ち、ツヤのあるストレートロング、モデル体型の長身に長い手足、谷間がはっきり分かるほどの大きな胸と、シャングリラの子どもたちとはちょっと違う都会的な外見のキャラクターであり、今作のヒロインとして活躍していくこととなる。エゥーゴの目的に共感し、自らパイロットに志願した志願兵であり、エゥーゴの大義を信じている。また、今後はニュータイプ能力を開花させ、主にΖガンダムのパイロットとして、エゥーゴを勝利へと導いていく。
美人でスタイル良くておっぱい大きくて気が強いという、ヒロインに必要な要素をいくつも兼ね備えたキャラクターではあるが、そのためかアクシズ軍のある男性キャラクターに付きまとわれるという、新たなコメディパートにも一役買うことになってしまう。声は松井菜桜子が担当する。
プロローグ
敵になるタイプの人間というのはしつっこいんだ。パイロット上がりの指揮官は、デーンと座ってりゃいいものを、半完成品のモビルスーツで出てくるんだから、とりあえず、って感じでやっつけちゃう!Ζガンダムの力じゃないね。俺の実力だね、俺の!
*今回からジュドーが述べる簡単なあらすじがサブタイトル前に挿入されることになった。以降、挿入される回とされない回がある。バックに流れる曲は「宇宙のジュドー C-14」。
セリフ
ワイム「やめろビアン!後ろから撃つのは卑怯者のすることだぞ!」*マシュマー譲りの騎士道精神は立派だが……。
ルー「やだぁ…あれΖらしいのに、初めて見るΖが何でやられてるの?あー、嫌悪感!」
ジュドー「ちゃんとやるから、飯食べさせてくれよ!」
ルー「シャングリラ……ごめーん!」*コロニーに穴を開ける行為は、宇宙世紀において最もやってはいけない行為の一つなのだが…シャングリラだけで、もう2回も穴が開いている。
ルー「ねえ、私の殴ったおじさん、大丈夫かな?」
ガザストームフォーメーション
今回出撃の「ガザの嵐隊」が編み出した煙幕を使う撹乱戦法。だが実戦で使うのは初めてで……。
パンパ「大気圏戦闘用に考えたガザストームだ。この煙の中では、手も足も出まい」
ワイム「しかし隊長、我々はどうやって敵の位置を見分けるんです?」
ビアン「ミノフスキー粒子で、レーダーも壊されています」
パンパ「うぅ?計算では、煙は我々の機体だけを隠すはずだぞ?」
ビアン「思ったより、煙の拡散が早いようです!」
パンパ「立場が同じなら、数の分だけこっちが有利だ。見当つけてやれ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるわ」
*この後ジュドーが漏らす「うわ、むちゃくちゃじゃないか」があまりにも的確過ぎるツッコミ。結局、自分たちが一番コロニーへの損害を考えていない、ということになってしまう。
声の出演
ジュドー・アーシタ:矢尾一樹/ブライト・ノア:鈴置洋孝/リィナ・アーシタ:岡本麻弥/イーノ・アッパーブ:菊池正美/ビーチャ・オーレグ(アストナージ・メドッソ):広森信吾*2/モンド・アガケ:塩屋浩三
ファ・ユィリィ:松岡ミユキ/ルー・ルカ:松井菜桜子/マシュマー・セロ:堀内賢雄/ゴットン・ゴー:戸谷公次/ゲモン・バジャック:玄田哲章/チマッター:金丸淳一/トーレス:柴本広行*3/シンタ:坂本千夏/クム:荘真由美/パンパ:立木文彦
スタッフ
作画監督 | 小林利充 |
---|---|
原画 | 加藤義貴/カナメプロダクション/川元利浩/熊谷浩彦/佐藤浩雅/スタジオ・ダブ/瀬沼靖治/高橋朝雄/中谷マリ |
動画チェック | 吉沢亮吉 |
動画 | 中川信子/野村宙/小沢章子/大内正彦/福岡真一/山本まゆみ/網野勇治/スタジオ・夢民/スタジオ・マーク/スタジオ・ぶーびー |
色彩設定 | 高島清子*4 |
色指定 | 上保睦子 |
特殊効果 | 千場豊 |
仕上処理 | 前林文恵 |
仕上げ | サンライズスタジオ/植村礼子/森田晴美/関絵美 |
背景 | スタジオ・イースター/矢島洋一/清水隆夫/鈴木国生 |
撮影 | 旭プロダクション/古林一太/奥井敦/平山明夫 |
編集 | 布施由美子(井上編集室) |
効果 | 横山正和 |
調整 | 依田章良 |
録音 | ニュージャパンスタジオ |
現像 | 東京現像所 |
タイトル | マキ・プロ/岸村弘明 |
設定ベース | 永瀬唯 |
協力 | 河本洋一/西中康弘 |
制作デスク | 高森宏治 |
設定制作 | 近藤康彦 |
制作進行 | 池部茂 |
演助進行 | 高松信司 |
制作補佐 | 原田奈奈 |
OPコンテ | 滝沢敏文 |
ENDコンテ | 斧谷稔*5 |
OP・END作画 | 瀬尾康博/北爪宏幸/内田順久 |
OP・END美術 | 池田繁美 |
脚本 | 遠藤明吾*6 |
ストーリーボード | 杉島邦久/斧谷稔*7 |
演出 | 杉島邦久 |
次回予告
しょーもない人というものはいつでもいるもんだ。ヤザンさんは、元々俺たちが助けた人だぜ?それが今度は、二機のゲゼで攻めてきた。こっちは、Ζは言うことはきかないし…って、ちゃんと動けってんだよ!俺はニュータイプ。信じやすいんだから……。次回、ガンダムΖΖ「鎮魂の鐘は二度鳴る」。渋いね。
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