必殺からくり人 富嶽百景殺し旅 第6話「下目黒」
唐十郎(沖雅也)が持ってきたのは「下目黒」の絵だが、寺社奉行の支配下にあるこの場所での殺しに二の足を踏む座員たち。しかし持ちかけられた仕事は断れないと、それぞれ下目黒へと潜入することに。鷹匠が赤く染まったとおり、ここ下目黒は将軍家御愛鳥である鷹の訓練場。更には、氏神を奉る社の修復に欠かせない茅が訓練場に茂っているため、庄屋の孫兵ヱ(村田吉次郎)は鷹匠である前田伊三郎(亀石征一郎)の機嫌を取り、茅の刈り取りの許可を申請するのだが、前田はその弱みに付け込んで村人を食い物にする。
女郎屋を貸切りドンチャン騒ぎをしても費用は全て庄屋持ち、村の女を奉公に差し出せと強要するがその実女郎に売り飛ばし荒稼ぎ、邪魔をしそうな村人は容赦なく斬殺と惨い仕打ちを繰り返す前田一味。庄屋の娘・おそで(村田みゆき)と恋仲である友吉(南條豊)も妹を奉公に差し出すよう強要されたが、妹は女郎屋に売られ、脱走した挙句死んでしまう。妹の仇を討とうと無謀にも前田一味に襲い掛かる友吉であったが、敵わず山へ逃走。おそでを人質に呼び出され斬られてしまう。
「鷹匠なら鷹を馴らしてりゃ良いものを。人を馴らそうなんてそうはいかないよ!」前田一派を始末したお艶(山田五十鈴)たちは、唐十郎の提案どおり前田たちの死体を目黒川へと流す。その死体に捕まり川を下っていく御鷹様であった。
御鷹匠一行の悪行を描いた作品。友吉が前田一味から山を下りるよう強要された時、唐十郎が「生きていてこそ幸せを掴んで欲しいんだ」のセリフも虚しく、山を下り殺されてしまう。その日の夜にはお艶たちが前田たちを始末するわけだから、おそでの体も守られただろうし、被害者もなく仕事が済んだかもしれなかったのだが。まあ、その前に妹が殺されて、「もう俺は死ぬ覚悟が出来ているんだ」と生きることへの絶望感を匂わせるセリフもあったので、それに準じたのであろう。
「下目黒」
真ん中右下。鷹を肩に抱かせた二人の鷹匠が血の色に染まる。
脚本 | 保利吉紀 |
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監督 | 松野宏軌 |
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