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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

必殺仕事人V旋風編 第11話「主水の隠し子現れる」

江戸では凶盗・闇の矢平次(浜田晃)が舞い戻り商家を荒らしまわっていた。一方、南町奉行所ではとうとうリストラがはじまった。15年間勤務していて今後全く見込みが無い同心は、転職するか、人材活用補導所へ入り一から鍛え直されるらしい。南町の定廻り同心部屋からも、1名がその憂き目に遭うのだそうだ。

もちろん、同心部屋のみんなは主水(藤田まこと)がそうなるだろうと思っているのだが、そんな主水に大事な役目が。公金3,300両をゴミに偽装し、主水の管理する百軒長屋で保管しようというのだ。この方法を提案したのが、主水の同僚・伊吹(北村晃一)なのだが、実は伊吹と矢平次は結託しており、この公金を盗むにあたり、昼行灯の主水なら必ずヘマをするだろうと、わざとこのような提案をしたのだ。

一方、主水は百軒長屋に引っ越してきた女・お島(中村メイコ)を見て驚く。主水の17年前の浮気相手だったのだ。今では16歳になる娘・お小夜(三浦恵理)と二人暮らし。お島と肉体関係を持ったこともある主水は、お小夜を見て「ひょっとしたら自分の娘か?」などと思ってしまう。そんなお島も、今は矢平次の囲い者であり、今回の盗み働きを手伝うために百軒長屋へ潜り込んできた引き込み女であった。

伊吹と矢平次の企みは、お島のサポートもあって成功するも、矢吹がお小夜を無理矢理に抱こうとしたため、お島はお小夜を逃がしてしまった。矢平次の手下に刺されたお小夜は、主水と政(村上弘明)に金を渡して恨みを晴らしてもらうよう依頼し、息を引き取る。早速仕事にかかり、伊吹と矢平次一派を仕置きした仕事人。だが、障子の向こうから不意に刀が飛び出してきた。それを避けた主水が反射的に刺し殺した相手は、誰であろうお島であった。

今までのサブタイトルがあまりにふざけたものであったためか、今回は物語の内容に直結した、旋風編らしからぬ普通のサブタイトルとなっている。ただし、現代ネタはいまだ健在で、今回は「バレンタインデー」がネタにされており、女は好きな男にチョコレートならぬ「まんじゅう」を送る風習があったとかそうでないとか。

過去に主水と関係のあった女・お島を演じるゲストには、必殺シリーズ初出演の中村メイコを招いた。お島の連れ子であるお小夜は、主水がお島と関係を持っていた当時から数えて、経過した年数も年齢もピッタリだが、お小夜が主水の娘がどうか分からないうちにお島が息絶えてしまうので真相は分からない。中途半端な感じは否めないが、視聴者にはどちらとも取れる解釈であると考えれば良いのかもしれない。

主水が伊吹を仕置きするシーンは、なかなか迫力のある殺し方となっていて見ごたえがある。藤田まことも舞台公演が終了したのか、出番もじょじょに増えてきている。なお、南町奉行所のリストラ話の顛末は、伊吹が死んで1名の枠がなくなったため、主水はそのまま南町奉行所に残ることができるようになった、というオチ。

スタッフ

脚本 篠崎好
監督 原田雄一

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