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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

必殺仕事人V旋風編 第9話「主水、りつ、ラブホテルに行く」

牢内に受刑者が一人入牢。強欲なため抜け荷買いを行い罪となったが、牢名主・矢源太(阿波地大輔)は彼に脱獄を持ちかける。一方、百軒長屋では家賃滞納者が問題視されており、百軒長屋担当職員である主水(藤田まこと)は、田中様(山内としお)と鬼塚(西田健)に取り立てを迫られる。島田誠之助(小林芳宏)、おしの(里見和香)の夫婦も家賃を滞納しているのだが、誠之助が重い病のために働くことが出来ず、おしのの僅かな稼ぎで暮らしをしているので主水もなかなか言い出せない。

中村家では、福引で当たった出会い茶屋・松風の利用券をどうするかでひと揉め。りつ(白木万理)はもちろん夫である主水と行きたがるのだが、その態度にせん(菅井きん)は少々不満。早速、勤務中に抜け出してりつと一緒に松風へ入る主水だが、松風の入り口でおしのを見かけ疑問を抱く。中に入ると、さすがにそこは江戸でも最新のラブホテル。部屋は壁一面天井まで鏡張り、ピンクのベッドがぐるぐる回る仕組みで、りつも思わず大興奮。呆れる主水。しかし、その派手な経営の裏には、牢同心・中井平次郎(原口剛)と松風の主・仙蔵(下元年世)の悪どい罠が。

おしのも松風にいた。遊び人の男をくわえ込んでの売春行為。おしのが誠之助に薬を買えたのは、このいかがわしい副業の収入があったからなのだ。行為が終わってベッドに倒れこむ二人だが、眠り薬が入ったお茶を飲み眠ってしまう。そのまま地下に落とされた二人は殺されてしまう。主水夫婦も、間違って出された眠り薬入りのお茶を飲まされてしまい、結局行為は出来ずに帰宅。勤務時間中にさぼっていたのがばれて田中様から大目玉を喰らうが、お玉(かとうかずこ)から「おしのさんが戻らない」との報告を受ける。松風で何かあったのではないか、と悪事のからくりを調べるためにお玉は政(村上弘明)と松風へ。二人も眠り薬を飲まされピンチに陥るが、途中で気が付いた政は中井たちの企みを聞く。

中井はその立場を利用して、牢内で金を持っていそうな受牢者に矢源太を通じて脱獄を持ちかける。一方で、仙蔵が経営するラブホテルにやってきた、後ろめたい動機のカップルを窒息死させ、脱獄したい受牢者とこっそり入れ替える。それは女牢でも同じことが行われていて、女牢の牢名主・お米(紅萬子)も一枚噛んでいた。牢内では病死と言うことになり、脱獄者は報酬として多額の金を中井たちに納める、という筋書き。仕事料は、誠之助が名刀を売った5両。ラブホテルを舞台に、主水たちの殺しが始まる。

江戸時代の出会い茶屋=ラブホテルを現代風にアレンジしての過激な演出。『必殺仕事人 激突!』では照蔵屋(テレクラ)まで登場しているので、必殺世界の風俗はなかなか派手なものがまかり通っていた模様。

中村家のコントでは、お馴染みとなった「お隣の清原さん」が大活躍。そして今回は、新たなキャラ「向かいの落合さん」が登場。せん曰く、落合さんは昨年に3つの大手柄を立てたらしい。1986年、確かに落合さんは三つの大手柄を立てている。主水もさすがに「あいつには敵いません。器が違いすぎます」。何せ“オレ流”ですから。

この話は、百軒長屋が完成して半年が過ぎたあたりが舞台になっている。前話の「コールガール」では、まだ長屋が出来て3ヶ月くらいだったはず(千代松のセリフより)。よって、今回の仕事に至るまで約3ヶ月のブランクがある、ということになる。

殺しのシーンでは、ラブホテルを舞台に悪人たちを次々と始末。鏡を使った主水の殺しが面白い。

スタッフ

脚本 篠崎好
監督 田中徳三

必殺仕事人V 旋風編 DVD-BOX

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