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ドラマとアニメの感想文

主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

必殺橋掛人 第12話「四谷の忍者寺を探ります」

残る仕事は四谷と江戸城江戸城は相手が手強そうなため、四谷が仕事の場となることを覚悟する橋掛人。その四谷にある仁法寺では僧侶と橋掛人の激闘が始まっていた。手裏剣や槍を使う屈強な僧侶たちに次々と殺されていく橋掛人たち。その内の一人・亀吉(花岡秀樹)がアジトに現れ、柳次(津川雅彦)に紙切れを一枚渡すよう言い残して去っていく。彼は柳次の昔の仕事仲間だったのだ。更には亀吉の追っ手と思しき捕り方に囲まれ絶対絶命の橋掛人。会合の時間に遅刻してきた柳次が皆を逃がすが、柳次の行動に新吉(宅麻伸)は「別の仲間と組んで仕事をしているのでは?」と強い不信感を抱く。浮かんだ文字「卍」に何か関係があるのか?伊太郎(オサム*1)によれば、一年ほど前から神隠しが頻繁に起こっており、裏稼業である橋掛人の仕業であると断定して毎晩大掛かりな捜査を行っているのだと言う。

一人仁法寺を見張る柳次。その様子を探る新吉だが、柳次は新吉の気配に気付き強く言い聞かせる。仁法寺の僧侶は全員が忍。橋掛人では歯が立たない、と。一方、神隠しで誘拐された男たちは忍の武器や道具を作らされていた。誘拐された男たちは徳川家忍者衆の子孫であり、仁法寺の仁王大僧正(北九州男)によって拉致された者たち。仁王は泰平の世でありながらも、徳川家に反逆の烽火を上げんとする輩が潜伏しておるとし、いざと言う時のために鎮圧するべく、尖兵として彼らに戦うことを義務付けていたのだ。ところが、連れて来られた者たちは全て庶民の暮らしを営む者たちばかり。突然、忍の一員となって戦えと言っても無理な話。あまりに常軌を逸した訓練と労働の毎日に死者が続出していた。柳次の長屋に住む周助(潮哲也)もその一人。この恨みを晴らして欲しいと多助に願うが、その兆しがないことに苛立ちを隠せないでいた。

とうとう周助は脱出を試みる。ところが途中で力尽き、おくら(萬田久子)たちの前で息果てる。後を追う忍者たち。新吉はやむを得ず忍者集団と戦おうとするが、おくらには「元締に知らせず仕事する気かい?掟破りだよ」と諌められる。絶体絶命の中、助けたのは柳次だった。周助からの頼み料を受け取る新吉。だが橋掛人の掟を破ろうとした新吉に対し柳次はその腕を折ろうとする!自分に否があることを認めた新吉は「折ってくれ!俺の腕をへし折ってくれ!」と柳次に言うが、柳次は「こうして頼み料を受け取っちまったからにゃ……やらなきゃならねえ」と、対忍者集団との戦いを覚悟する。皆が頼み料を受け取る中、「この仕事、俺にもまったく自信がねえ」と思わず不安を吐露する柳次。

仁法寺へ乗り込んだ橋掛人。手練れの忍たちが、幾人も襲い掛かるのだった。

連続して強敵との戦いが続く橋掛人。最後は忍者集団との戦いである。冒頭、柳次の昔の仲間が放つ手裏剣をいとも簡単に跳ね返してしまうことから、今回の相手は只者ではないことを窺わせる。脚本レベルでの強敵ではないという事だ。手裏剣を跳ね返す様はまるで『北斗の拳』の二指真空把を彷彿とさせる。

仁法寺は昔から幼い子供が神隠しに遭うと言われていた曰く付きの寺。恐らく物心つかない子供達がさらわれ、仁王によって忍者としての訓練を受け洗脳されていったのだろう。泰平の世の中において、忍の誇りと技を磨き有事に備えんとするもその方向性は狂気を帯びており、仁法寺の中は常識が通用しない「地獄」と化している。その恐ろしさを表現するためか、忍びたちによって殺された死体が引きずられるシーンや、リンチを加え最後に刀で刺し殺すといった、視聴者に恐怖心を煽らせる演出が目立つ。

強敵との戦いを控え、橋掛人チームと途中加入の柳次との温度差が浮き彫りになる話でもあった。強敵相手でも積極派な橋掛人チームに対し、一人冷静に戦力分析を行い、橋掛人チーム(特に新吉)の暴走に歯止めをかける慎重派の柳次。新吉は血気に逸り忍者集団に仕掛けようとするも、一度目は「やるんだったら、俺を始末してからにしろ」と自らの命を的に思いとどまらせ、二度目は掟を破って仕掛けようとする新吉を囮になって救った。結果的に、橋掛人チームの命を救い結束がより深まったと言えるだろう。

四谷の仕事という事で、仁法寺がクサイと睨み昔の仲間を送り込んだ柳次の先見性には驚くが、まあそこはご都合主義の延長みたいなもの。これで浮かんだ文字が「卍」じゃなかったら、どう責任取ったんだろうね。昔の仲間の名前が「亀吉」と言うのもファンをニヤリとさせる。忍者集団との激闘は、身軽な新吉が先陣を切り、おくらが固定砲台となって遠距離から狙っていくというそれぞれの長所を活かした作戦。松も相手の隙を生み出すため、命ギリギリのところで頑張っている。國村隼には おくらの瓦が通用しなかったりとヒヤリとする場面もあり、最後は吉本新喜劇の烏川耕一似の鞭使いに殺されそうになる新吉だが、寸でのところで柳次の反物が間に合うカッコイイ演出。さすがは『眠狂四郎 円月斬り』『唖侍 鬼一法眼』『座頭市物語(テレビ)』を手がけたアクション系時代劇のベテラン、黒田義之といったところ。

さて、本編とは全く別のところだが、柳次の後妻・お紺(高部知子)が柳次に愛想をつかせてとうとう家出をしてしまった!そして、番組の最後には前妻・お藤(鷲尾真知子)が柳次に惚れ直して帰ってきた……。柳次一家、一体どうなる!?

スタッフ

脚本 石森史郎
監督 黒田義之

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