ルパン三世PARTIII　第６話「ルパンが戦車でやってきた」

400年前に滅亡したメガス王朝の財宝を求めてクーデター勃発中の小国へやってきたルパンたち。そこで次元が再会したのは、ドルミネアにいた頃の傭兵時代の隊長で今は「戦争請負人」の異名を持つギャランコ。彼が率いる部隊は必ず勝利を収めると言われた伝説の英雄だ。
反政府軍を率いる彼だが旗色は悪い。更に挙動不審な行動が目立つ。国防軍指揮官・レプトル将軍も同じくメガス王朝の財宝を狙っているのだが、レプトルは多額の報酬を餌にギャランコを懐柔していたのだ。信念を曲げたギャランコと対決する次元。決闘後ギャランコと和解するが、そこに国防軍が現れ二人を銃撃する。
ギャランコは次元を庇い死亡。ルパンが「お土産」として持ってきた戦車に乗り込み、山頂にある湖を利用して国防軍とレプトルを倒したルパンたち。湖の底から現れたメガス王朝の財宝を発見するが、ギャランコの意思を継いで見逃すことにする。

２話で銭形、４話で不二子、５話で五右ェ門と、各レギュラーをフィーチャーした話が用意されたが、最後のレギュラーメンバーとして次元にこの話が用意された。このメガス王朝の財宝の話自体も、次元がルパンに持ちかけた事になっている。なお、タイトルは山田洋次監督の映画『馬鹿が戦車（タンク）でやって来る』をもじったものと思われる。

戦争ばかりの生活から抜け出すため、レプトルの誘いに乗ってしまったギャランコが哀れであり、その姿は視聴者に対して十分に訴えかけてくるものがある。また、男の友情を理解しない（出来ない？）不二子の言動など、次元とギャランコの関係を浮き彫りにする一幕も用意されており、原作からの抜粋モノではないにしろ非常に上手くまとまった好編。小林清志と小林修、両ベテランによる掛け合いも見物。八奈見乗児のふてぶてしい悪役にも注目したい。また、劇中歌としてオープニングの「セクシー・アドベンチャ」が歌付きで挿入されている。

おたから

メガス王朝の財宝

登場人物

ギャランコ（小林修）

次元が８、９年前に傭兵部隊に所属していた頃の隊長。連戦連勝の奇跡を起こす英雄として、次元もある種尊敬の念を抱いていた。また、次元の拳銃の師匠の一人でもある。しかし、反政府軍にどう考えても勝ち目が無いこと、そして生まれてから今日まで戦争ばかりを続けてきた自分に嫌気が挿し始めたところをレプトルに付け込まれ、「多額の報酬」という誘惑に乗り反政府軍を裏切ってしまった。次元との対決で自身のプライドを取り戻すのだが、直後現れたレプトル率いる国防軍の銃撃から次元を庇い死亡。

レプトル（八奈見乗児）

国防軍を指揮する将軍。反政府軍を鎮圧することを任務としているが、腹の中では大統領を追い出して自分が最高権力者になろうと画策する野心家でもある。多額の報酬でギャランコを懐柔し、反政府軍壊滅と子供の頃からの夢であったメガス王朝の財宝を手中に収めんと用済みとなったギャランコを始末するが、ルパンたちの乗る戦車砲によって決壊した山頂の湖の濁流に飲み込まれて死亡。

セリフ

次元「あんたはどんな時でも兵士たちの期待と信頼を決して裏切ることはしなかった。どうしてだ！？どうしてこんな事になっちまったんだ！？」

ギャランコ「俺は戦場で生まれ育ち、戦うことが自分の使命だとさえ思ってきた。だが俺ももう年を取った。疲れちまったんだよ！今度の仕事を最後に、硝煙のニオイを落とし、違う世界を覗いてみようと思った。しかし…この戦い、ゲリラに勝ち目は無え。敵は物量作戦で来る。そんな時、レプトルの奴が近づいてきた。つい目が眩んじまったのさ…多額の報酬にな」

次回予告

「死んだはずの男が不二子の前に現れた。その名をガーブ。ヤツの狙いは不二子の命だ。放っとく訳にはいかねえ。だが何と！ヤツは弾を避けちまった。次回「死神ガーブと呼ばれた男」」

キャスト

ギャランコ：小林修／レプトル：八奈見乗児／兵士：喜多川拓郎、古田正幸

スタッフ

脚本	高屋敷英夫
絵コンテ	こだま兼嗣
演出	こだま兼嗣
作画監督	神村幸子
原画	スタジオイルカ／川越ジュン1／小松ひな子／あべじゅん子2／菖蒲隆彦
動画	小島愛子／加藤涼子／葉慶勲／芽野京子／西沢昇／飯田和憲
色指定	伊藤純子
彩色	柴田美知子／鈴木敏夫／柳田道子／大堀まり子
背景	石垣プロダクション／廣瀬義憲／袮津貴美子／渋谷幸弘／松岡聡
撮影	小林健一／関村真平／八木守行／野村隆／金井弘
連載	パワァ・コミックス（双葉社刊）
OPテーマ	「セクシー・アドベンチャ」作詞：宮原芽映／作・編曲：大野雄二／歌：中村祐介　バップレコード
EDテーマ	「フェアリー・ナイト」作詞：宮原芽映／作・編曲：大野雄二／歌：ソニア・ローザ　バップレコード
選曲	合田豊
音響効果	宮田音響
録音技術	前田正信
タイトルデザイン	高具秀雄／田上淑子
制作進行	横溝隆久
録音	東北新社
現像所	東京現像所
制作	よみうりテレビ／東京ムービー新社