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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

シティーハンター 第5話「グッバイ槇村 雨の夜に涙のバースデー」

関東圏に勢力拡大を目論む麻薬組織「赤いペガサス」がシティーハンターへ接触を開始。関東一円を仕切る暴力組織のドンの始末を依頼される。槇村は毅然とした態度でこれを断るも、帰り道で殺し屋を差し向けられ冴羽の腕の中で息絶えた。それは、香が二十歳を迎える誕生日の出来事であった。

冴羽は赤いペガサスを壊滅させ、槇村を殺したジェネラルも倒す。赤いペガサスからかき集めた金を持ち帰った冴羽は、自身に罪の意識もあり香にこの町を出るよう告げる。だが、悲しみを受け継ぐ意思を抱き香は言った。「獠、あんたには新しい相棒が必要よね」。その言葉に、獠は「来年のバースデーは、地獄で祝うことになるかもしれんぞ」と伝えるのであった。

槇村退場編。脚本は井上敏樹。前半Aパートは香の生い立ちと槇村の活躍が描かれる。この生い立ちは「シティーハンター2」で香の姉が登場するシーンで大きく関連付けされる。

自組織拡大のために他組織のボスを殺そうと始末屋を利用するような腐った連中の依頼など断って当然。冴羽が交渉に向かっていればこんな事にもならなかっただろうが、槇村は香の事を考えた上での「公私混同はしたくない」という生真面目さが死へ向かうきっかけに。更にガルシアから香の事を仄めかされ冷静さを失ってしまった。

長年相棒として組んできた槇村が死を迎えるときでさえ冴羽は涙一つ流さなかった。冷酷な男だと思われがちなシーンだが、これは冴羽が「始末屋」としてある程度予感していた別れであり覚悟していたこと、そして殺し屋という涙を流すことができない職業であること、更に冴羽自身が「心を閉ざした人間」であることを物語る重要なワンシーンであると解釈出来る。

ラストシーンで、冴羽が香に金を持って町を出ることを促すときの「槇村は俺が殺したようなものだ。町を出れば、いずれ悲しみも……」というセリフは、香の心境を案じる(香が冴羽と同じ町に住むことで香の心に悲しみを広がらせることを防ぐ)と同時に、自分の心に悲しみを生み出す(槇村の死を思い出す)罪悪感の原因を突き放したい、という思いが無意識に現れているようにも取れる。しかしその後の香のセリフと、槇村の遺言である「香を頼む」の言葉もあり、香の面倒を「相棒」として見ることになる。香との生活は、やがて冴羽の心に「人間らしさ」を宿した波紋を広げていくことになるのだ。

演出、作画等はマジック・バスが担当。メンバーもマジック・バスの精鋭が揃っている。動画メンバーの豪華さに注目したい。とことんまで暗い演出を施し、銃撃戦も暗く落ち着いた曲がかかる中で展開される。特に、シルキィクラブに麻薬で囲われている女が、たった一度の口づけで心を開き、冴羽を守るために命を落としていくシーンは、セリフこそ無いものの哀切。

原作

「恐怖のエンジェルダスト」「ステキな相棒!」「将軍(ジェネラル)の罠!」

セリフ

槇村「もう20年も前の話だ。警官だった親父が、赤ん坊を連れて帰った。そして俺に言った。今日からこの子はお前の妹だ、と。それが香だ。親父が追跡中事故死した犯人の娘だった。母親も既にいない、身寄りのないあいつを、親父は引き取ったんだ。香の母親の形見だというこの指輪を、親父は時々見つめながら呟いていた。悲しそうにな。香が二十歳になったらこれを渡す。真実と共に。しかし、その親父も5年後に死に、親父の役目は俺が受け継がなければならなくなった。今日真実を、指輪と共に告げねばならん」

槇村「誰かが言ってたっけ。魂は超薄切りにして売れ、って。だが俺の魂は高いぜ?ボロは着てても、おたくらみたいに安っぽくはない。……貴様らが殺しあうのは勝手だ。だが俺の身内に手を出したときは、命は無いと思え。……悪魔に魂を売る気はない。悪魔はドブネズミに劣る!」

槇村「香を……頼む……」

冴羽「しばらくの間、地獄は寂しいかもしれんが、すぐに賑やかにしてやるよ……槇村」

香「忘れはしない。この指輪には、きっと兄貴の血が染み込んでる」

次回予告

香「はあい!香で~す。今度からは私が相棒。獠、早速仕事だよ?」

冴羽「今それどころじゃないの!だってボクちゃん女優の由美子ちゃんにゾッコンなんだもん!」

香「何言ってんだよ。この依頼を受ければ本物に会えるんだぜ?」

冴羽「本当?やるやる!その依頼乗った」

香「ボディーガードよ?」

冴羽「まっかせなさい!由美子っちゃ~ん。この僕が永遠の恋人になって、一生君を守ってあげよう!次回、『恋しない女優 希望へのラストショット』」

*今回から掛け合い漫才がスタート。香の声がまだ萌え系の声になっている。

キャスト

冴羽獠:神谷明/槇村:田中秀幸/槇村香:伊倉一恵

ガルシア:加藤治/ジェネラル:納谷六朗/組長、ボーイ、手下:郷里大輔/組員A:島香裕/組員B:梅津秀行/美女:神代智恵*1/ギャル:羽村京子

スタッフ

脚本 井上敏樹
絵コンテ 冨永恒雄
演出 冨永恒雄
作画監督 小林ゆかり
原画 島健一/小椋真由美/鈴木伸一/角弘光/宮野晃/滝沢明美/伏田光宏/関口重晴/鈴木浩美/村田俊治
動画 前川博信/吉野真一/比舎千恵子/中沢一登*2/水畑健二/渡辺雄介
動画チェック 高橋英樹
色指定 千葉賢二
仕上 スタジオ・ボギー/岡本直子/石丸好美/小川澄子/福島友子
特効 千場豊(マリックス)
背景 スタジオ・イースター北川晴美/影山誠哉/南沢貞子/アートルーム・ブーメラン/佐藤正行/佐藤幸子/玉利和彦
撮影 ACC PRO 谷原スタジオ/菅谷英夫/高石稔/神山茂男/宮本勝啓
編集 鶴渕映画
タイトル マキ・プロ
効果 松田昭彦(フィズサウンド)
整音 大城久典
音響制作 オーディオ・プランニング・ユー
録音スタジオ A・P・Uスタジオ
現像 東京現像所
設定 山本之文
制作助手 渡辺葉子/佐藤あさみ
製作協力 マジック・バス
文芸 外池省二
製作担当 望月真人

シティーハンター

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