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主にテレビドラマや時代劇、アニメの感想文を書いているブログです。

シティーハンター 第4話「美女蒸発!!ブティックは闇への誘い」

新宿で一ヶ月に19人もの美女が行方不明となる事件が発生。妹が行方不明となり狼狽する槇村からの依頼で動く冴羽だが、槇村の妹ということでどうも乗り気じゃない。同じく美女蒸発事件を追う不審な男と出会うが、彼の正体は女だった。親友が蒸発したために、自ら事件の真相を探っていたのだ。

美女蒸発の黒幕は「ブティック・オルフェ」。更衣室に落とし穴が仕掛けられており、マジックミラーで「品定め」の後に誘拐する仕組み。筋肉硬直剤を打ち、美女を「生きたマネキン」として香港ルートへと売りさばくシンジケートと対決することになった冴羽。先に潜入し誘拐されてしまった女は、咄嗟に冴羽の名前を叫ぶ。なぜ、冴羽の名前を?

槇村香初登場である。冴羽も香のことを「もっこりバストちゃん」と呼び満更でもない様子。しかし本人は男に間違われるほど整った顔立ち。この辺りの伏線は、レギュラー後も度々ネタにされる。また、親友のためにおもちゃの銃で人身売買組織に殴りこもうとする無鉄砲さは「大事な人のためなら命を惜しまない」という芯の強さの表れであり、後のストーリーにも活かされている。

伊倉の声も後の作品に比べると若干高く、香というキャラのイメージをまだ掴みきれていない感がある。なお、今回のハンマーは「10t」。

シンジケートのアジトへ乗り込む冴羽。暗闇の中でも銃弾の火花だけで位置を掴み簡単に手下2人を始末する凄腕ぶりを披露。ちなみに、原作ではこの手法でボスを射殺している。ボス・黒崎の声は佐藤正治

地下鉄のプラットフォームを舞台に対峙する二人。香を人質に取られて絶対不利の冴羽だが、目の前を通り過ぎる電車の開いた窓を経由して銃弾を撃ちこむスーパーテクニックで事件解決(電車が接近してくるときのカメラワークが、『ルパン三世PARTIII』第1話でルパンが不二子救出のためにケーブルカーで陳怪の屋敷に乗り込んでくる場面に似ている)。

演出は港野洋介こと青木悠三が担当。この後は絵コンテに専念するので演出はこの回が最初で最後。ディスコのシーン、暗闇での銃撃戦などの色彩表現に特色が現れている。実際動いている作画はアニメアールの精鋭たちが中心となって作業しているため、乱闘シーンなどはアニメアールの色が目立つように思うが青木演出も存分に主張。青木が80年代のルパン三世で表現しようとした「大都会の闇の中での活躍」を徹底した演出となっている。青木悠三谷口守泰との相性も悪くはないようだ。

ボトムズ」のキリコと「レイズナー」のエイジを足して2で割ったような細面でシャープな顔の冴羽も谷口回ならでは。

原作

「闇からの狙撃者!」

セリフ

香「まだ言うか!俺は女だ!」

次回予告

冴羽「香の誕生日だって言うのに槇村のヤツ、一人で出かけちまった。今度の仕事はヤバイぜ。シルキークラブに呼びつけるなんて、まともな奴らじゃない。おい槇村、バースデーケーキを涙で濡らすんじゃない!ようし、しばらくの間地獄は寂しいかもしれんが、すぐ賑やかにしてやるさ。次回、『グッバイ槇村 雨の夜に涙のバースデー』お楽しみに!」

キャスト

冴羽獠神谷明/槇村:田中秀幸/槇村香:伊倉一恵

黒崎:佐藤正治/沼田:福士秀樹/徹:辻村真人/翔:川浪葉子/リリー:あきやまひかり*1/スカウト1:島香裕/スカウト2:広瀬正志/司会者:堀川亮*2/美女:神代智恵*3/ボーイ:菅原正志

スタッフ

脚本 武上純希
絵コンテ 港野洋介*4
演出 港野洋介*5
作画監督 谷口守泰
原画 谷口守泰/西沢晋*6高橋久美子/加瀬政広/逢坂浩司小森高博
動画 山本みどり/春日久美子/四本忠司/スタジオムー/スタジオMAY
動画チェック 石井康雄
色指定 中山志甫子*7
仕上 遊民社/津田美加/光井朋夏/川口由美子/森美奈子/藤塚篤
特効 千場豊(マリックス)
背景 スタジオ・イースター/矢島洋一/北川晴美/清水隆夫/南沢貞子/影山誠哉
撮影 旭プロダクション/長谷川洋一/末弘孝史/福田寛/土岐浩司
編集 鶴渕映画
タイトル マキ・プロ
効果 松田昭彦(フィズサウンド)
整音 大城久典
音響制作 オーディオ・プランニング・ユー
録音スタジオ A・P・Uスタジオ
現像 東京現像所
設定 山本之文
制作助手 渡辺葉子/佐藤あさみ
制作進行 渡辺信一郎
文芸 外池省二
製作担当 望月真人

シティーハンター

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